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どこかのフィクションにいる会社員

登場人物

僕:普通の会社員、この物語を語る人物。特に特徴はないし、何か特別に得意なこともない、普通の会社員。

この物語はフィクションです。

目次

夕方に始まる定期ミーティング

今日は毎週、夕方から定期的に行われている営業的な打ち合わせだ。日によっては夕方の打ち合わせは、旧来の営業方法であれば売上に直結する時間でもある。それでも会議は行われる。最近はアジェンダと言うらしいが、いわゆる「議題」は特にない。形骸化したこの会議は、営業的な数字の予算にたいする報告を口頭で行い、その後は、オフィスで見かけた何人かに声をかけて飲みに行くという定期的な行事になっている。今時、ビックリするような話に聞こえるかも知れないが、割といまだにあることだろう。形は変われど、知人のスタートアップ的なところでさえ、名前や形を変えて行われる謎の慣習的「仕事」でもある。

しかし、今日の定例会は少し違った展開になったのだ。それは、ある意味、これまでの会社員人生として初めての出来事だったと言えるかもしれない。いつものように、会議室には、10人ほどのいわゆる「営業マン」と、何故か、何かと貴重な時間を奪われる、いわゆる「技術系」の人達が集まっていたのだが、社長が突然、プレゼン大会、いや「ピッチデック」的なモノでも何でも言い、普段考えていることを、皆の前でプレゼンを行ってほしいというのだ。準備時間は当然、全くなかった。あるのは、使い古されたホワイトボードと専用の黒いペン。今まで一度もなかった事である。というか普通はそんなことないだろう。つまり、社長の気まぐれという、内容によっては社会的に大問題になりかねないポイントを持ちすぎていて、僕にはもう、只々どうやりきるかしか考えることが出来なかった。

そして、その日、何の論拠もロジックを支える統計データも持ち合わせず、ブレーンストーミングでさえない状況に、社内に向けて話す事になった。端から見れば、これは大変なことになった、と思うものだ。」そもそも、こんなことが起こると誰が想像するだろう。しかし、まあ、他のヤツにも聞いたけど、割とあるようなことでもあるらしい。正直なところ、誰か一人くらい、冗談半分に「社長、それはないっすよ 小笑」って言って欲しかったものだ。

そんなんでも、少なくとも、その場の雰囲気だけは和らぐはずだ。だが、残念ながら、誰も何も言わないし、表情一つ変えようとしない。ただ、黙々と仕事をしているだけだった。それどころか、むしろ、より一層、時が場の空気が重くする。何故なら、既に、誰もが、急にアイデアなのか、それとも、どうこの場を凌ごうかを考えているのか、何にせよ、誰とも目を合わせないようにしている。

しかし、この時、ようやく気が付いたのだった。そうだ、ここはそういう会社だったと。忘れていた。毎日の単調な生活というか、思考停止に陥っての仕事というのは。確かに、いつも、何かにつけて、自分の意見をぶつけ合うような場面はあるが、その実、そこには、いつも何も無かった。大概、仕事というのは、何が正しいかではなく、誰が言ったかで進み、その命運を共に良くも悪くも進んでいくのが会社である。

いくら頑張って意見を言ったとしても、それが採用される下準備が完璧でなければ、意味が無い。もし仮に、この起きている状況で、どんなに良いことを言ったとして、どんなシナリオに進んでいくのか。そんな夕方が始まった。

この物語はフィクションです。

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著者

複数のブログサイト制作と運営、イラストデザイン、3DCG制作、エッセイや短編小説、私小説などの、色々なコンテンツを制作しています。







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