信じるということほど危ういものはありません。そんな事を思うようになり、そうして僅かに見える期待さえ、自ら放棄していくのです。
真面目に生きようとすればするほど、その努力は「甘えの行く先」だと、他人に嘲笑されるのです。
こうして、人は自分のことだけを考えるようになっていくのです。けれど、それでも良いと思うのです。自分でどうにかできるものではない何かに抗うより、考える事をやめて夜を過ごすほうが誰にも迷惑をかけずに済むのですから。
そう、すでに今が精一杯だと。誰かのために生きられない事を悔やむより、明日が晴れるようにと。それだけを願うのです。