夕焼け 僕だけに見えた 対岸に見える小さな揺らいだ境界線
そこらへんに溢れている 鉤爪のような言葉が 僕のところに来るのに それほどの時間は掛からなかった
感謝の言葉さえ遠くに 路線高架橋を走る電車の音 聞こえるのは埃だらけ おもむろに耳を塞ぐ
ホーム 行き交う 行き先は分かりやすく とは言え人生は儚く
下を向いてよからぬことを考えたら負け でもギリギリで 費やした人生に左手は軽くて
全てを注いで徒労に終わった僕の人生は 半分くらいが あっという間にどこかにいった
自意識過剰 価値観 家族のように錯覚 後悔 本当は全部分かってた
自分の気持ちを曲げたときに生まれたもう一人の僕 路上に捨てられた価値観
都合や足下をよく見ている人達は 夢中で他人への勘ぐりをねじ曲げて事実に変えようとする
誰だっていい 大事なのは誰かが犠牲になること 自分を捨てた人だけが知ることができるらしい
事実とか真実とか きれい事で言葉を作って踏みつけて生きていくことにどれくらいの価値を感じただろうか
景色が気まぐれに変わるように 踏んだ足についた土はいつの間にかとれなくなっていて
歩けなくなれば次は自分の番 それがこの社会の現実らしい
正直者が笑顔をもらった代わりに渡していたモノは 替えるには重すぎる人格という代償
繋がりは軽薄で 「明日には地元に帰るよ。」 それだけ 独り言が増えるから またね
時が来るまで 全部そのままに 辛さや痛みも全部 綺麗な思い出に変えられる前にしまう場所を見つけた
酩酊 だらしなくて それでもギリギリ生きて 妥協でも何でも全て食べて
この今を生きることが 一度捨てた自分を探す大事な時間と言われたから
そんな言葉にすがるだけでも僕に見える明日は随分と澄んだ世界に戻されたようだ