些細なことで笑いあえる楽しい時代
時の流れや経験が まっすぐに受け止める気持ちを消して ゆっくりと消えていく記憶
初めて手をつないだ時のようなくすぐったい記憶は きれいな言葉で飾れば 心の奥底に残る思い出
楽しくって 夜通し遊んだあとにみんなで同じ方向を見ていた 日の出とか
大切にした時間 忘れたいことなんかひとつもないと本気で思えた時期はあった
誰もが自分のために何かをしてくれて 自分自身が誰かのために何でも努力して助けようとしたこと
痛い思い出になった いい思い出 消せる都合のいい思い出は ある意味 成功者の思考
歩道に書いたようなチョークのような思い出は 誰かが流した雨で洗い流される
苦労して学んだことも それはあの頃のことだと言えばそれで全て終わり
誰かが “ごめんなさい “と言っても その言葉はあなたのモノで 記憶に費やした時間を覚えている
記憶以外に残っているのは 残されたのは救われない感情を書き殴った紙だけ
月明かりは 誰も救ってくれない事を知っているから いつまでも心の中に届くか分からない光だけを差してくれる
いつも思い出す 迷子になった時のような それは光もなく 何時間も何時間も歩き続けて ようやく見つけた ぼやけた照明の明かり
振り返ると遠い昔のことのようだと グラスを交わて語る他人事のような掃きだめた言葉
あなたがいなければ 人生はただ無意味な出来事で そんな無作為に乾いて出された言葉は
飲み込んだ涙のような 理解できない苦しみを迷子にした
光もなく 何時間も何時間も歩いて ようやく気付いた気がした
今思えば 遠い昔のことのような気がする そんな言葉で美化される思い出なら消えてしまえ