細道。人の道、すれ違いに片足を踏み外せば崖壁に落ち。後ろを振り向くには少し足場が悪い。下ばかり向いていれば肩がぶつかり、上を向いて歩けば、いつの間にか足をかけられている。前だけを見て歩いて行くには、少しばかり周りが暗いようです。
服の袖を掴み、頼っているのかと思えばそれは違って、蹌踉けぬようにと、地に足が付くように引いてくれているのです。だから、安心して、この小道を抜けていけるように、脇目もふらずに歩いて行こうと思うのです。
困りました。こんなにも天気が悪いのに、傘を差すほどの隙間もなく、服から何から全てがずぶ濡れです。「明日は晴れるといいね。」なんて、これはこれで。だいぶ先の事まで考えてくれています。