ただ通り過ぎていた交差点の景色も 通り過ぎる人も 空虚だからとまっすぐに前だけを見て歩いてきた
路上を走っていた線路も いつのまにか高架鉄道 行き交う車両と人々の流れが時代を忘れて通り過ぎている
咳き込むくらいに疲れ果てた道化 続けるのをやめた
振り返れば背中を突き刺されていた こんなものかと言ってる
自分が息をしていなかった事に気づかされる
価値観がどうとかそういうことじゃなくて 嫌いなものは嫌い 見られていたのは自分じゃなくて肩書きの価値
所詮は誰かのためだったと言い聞かせるのも定め 後悔を誰かに押しつけて長い時間を生きてる
身動きがとれず 絵空事できれい事で固められた道化 生きながら死んでいるというのはこういうことだ
心臓が鼓動を打ちながら死んでいる どっかの映画みたいな SFの世界は現実に起きている 現実逃避は願ってもいないことだ
また飲みに行こうという 建前の言葉に後ろ指を指されながら 未だ消えない美しい日々に変わっていく記憶に拒絶反応を起こす
苦し紛れの強がりを自分に言い聞かせながら 決して願わないこと 僕にとっては向かうところ 未定だけのふがいなさに泣く
期待通りに答えるために泣く道化 そんなこと続ける空洞
陰口に耐えながら自分の名前を借りるくらいなら 誰かのために生きる必要なんてどこにもない
逃げられないと思ったその世界は 疲れ果てて辿り着いた 地続きに映り込む水溜まりの中に見えているものだ
空洞 でも生きている
自覚がないまま つまらない世界 死んでいく感情 遮断された つまりは孤独という名の恐怖
期待してない上に裏切りの上塗り 道化の行き着く先
空洞 それでも生きている
息をしている