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小石の行く先

川沿いに作られた散歩道。長い長い道、ふと、ゆっくり、毎日の散歩をしながら、下を向いて、小指の先ほどくらいになる大きさの石ころを蹴っていると、考え事などをしている内に、いつの間にか、先ほどの小石はどこかへ、違う石ころを蹴っていました。そうして、また、その、少し先へいけば、また違う、同じくらいの大きさの小石を蹴っていて。

それとなく、小石を拾ってみると、当然にそれは、ただの小石ですが、おそらく、社会に生きて、苦しく、僕のように適応できない人間は、この小石と同じく、誰かの小石である間は、進む事ができるのですが、飽きられ、忘れられていき、何かの拍子にそっと、違う小石と変わっていて、小さくなっていく後ろ姿を見ながら、そっと、誰かにまた、見つけてもらうことを待つのでしょう。

道の真ん中に放っていただければ良いのですが、何ともそうは上手くいかず、時には蹴り上げられて、意味も無く、深い草むらへ。見つけてもらうのは、そうですね。無理かも知れません。土砂降りの雨、強い風、何か、大きな変化によって、運良く道に戻ることはあるのかも知れませんが、普通は、水と同じく、下へ下へと流れていくものです。

たまたま、小石の色や形状によっては、川に落ちた小石を、純真無垢に見つけて、誰かが大事にしてくれるかもしれません。いや、これは本当に偶然が生む奇跡であって、特に何も思われず、蹴り飛ばされ、流れ着いた先で眠る。小石でさえ、人生と似たような道を辿ると。何でも、まあ、大体はそういうことなのかもと。

そんなことを思いながら歩いているうちに、いつも通り、ゆっくりとは影を伸ばしていき、かたわれ時に吹く向かい風、たまたまですが、今日は川上へ向かって歩いています。

小石を蹴ろうとしなくても、気をつけなければ、今度はそれを踏んでしまうでしょう。色々な形がありますから、踏めば、足首程度はくじくかもしれません。しかし、大事に至ることは少ないでしょう。少し、「イタっ」と、これくらいのものです。

現代社会においても、この状況を考えて、これは、不条理にはあらがえず、諦めることを薦めているのではありません。長いこと、色々とみてきたのですが、何かとそういうことが多いと、そんなことを目の当たりに見てきたので、ついついそう考えてしまうんです。

もちろん、先ほども書きましたが、例外もありますし、僕も、そんな場面はいくつも見てきました。ただ、どちらが正しいとか、何が常識で、普通とは何かと、いつも、そう思うのです。つまり、僕が言いたい事は、諦めろとか、そういう事ではなくて、むしろ逆で、諦めて欲しくないというか、ただ、それだけなんです。

現実は、この目の前にある小さな、自らの人生を誰かに委ねる瞬間があり、その日々の中で、いつか、誰かがきっと見つけてくれるかもしれない。そんな期待を持つことも面白いですし、しかし、だれにも知られないまま、流れ着いて、そのまま砂になるという事もあると。

どこかの誰かに蹴り飛ばされて、長年、川の流れに身を任せると、角は丸くなっていき、周りに影響なく、はまり込むようになっていきます。何も言いません。ただただ、そこにずっといるのでしょう。たまに大きなうねりが、変化をもたらすこともあるかも知れませんが、それは数えきれない、多くの中から、たまたま、キラキラとした目で、その小石を拾うのです。

小石を拾う側なのか、好き放題に散歩がてら、コロコロと蹴られながら考えるための道具となるのか、これは自分で選ぶ必要もなく、選べるモノでもないと思っていて、これを価値観というのかも知れません。いちいち自分の見方を変えるのが大変な世の中になりましたが、今日も1日、皆、そうして歩いていると思うのです。

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著者

複数のブログサイト制作と運営、イラストデザイン、3DCG制作、エッセイや短編小説、私小説などの、色々なコンテンツを制作しています。







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