竜胆、という花を知っていますか？リンドウの花の色は、様々あるのですが、僕は、淡く、青みがかり、少しだけ薄い紫色。そんな色をしている竜胆の花言葉を調べると、本当に、色々な想いが込められて書かれているのですが、中には「愛らしい」なんて意味があって、言葉は、辞書で同じ意味であっても、その言葉を使うとき、文章にしたり、ひらがなであったり、カタカナにして、漢字で書いたりと、色々な書き方によって、受け取る意味が変わります。
例えば、「愛らしい」という言葉を思い浮かべると、「愛しい」、「可愛い」、「美しい」など、また人によって、違いがうまれるのでしょう。つまり、何が言いたいのかというと、「愛らしい」という言葉自体は、僕が好きな言葉というだけであって、使うとき、状況、文章であれば、書きながらの情景によっては、また意味が変わってしまうというくらい、何かを伝えるということが難しいと言いたいのです。
同音異義語とか、そういう言葉遊び、そんなものではなく、日々の生活で、おそらく、少しの時間でも、相当な数の言葉が生む、意味のすれ違いがあり、しかし、それでも、伝えなければならないことがあるからこそ、人は言葉や文章を一生懸命に紡ぐのだと思います。だからこそ、言葉や文章に宿る想いというのは、いつも、真正面から目一杯に、受け止めないといけないと僕は思うのです。
そして、この文章を読んで、何を心に思い浮かべたでしょうか。自分の気持ちが、素直に思考と感情で伝わって、何かを伝えるということの日常、毎日の他人とのすれ違いとか、メール、SNSで、相手が伝えたいことの本当の意味、自分が伝えたいことが、どんな風に伝わり合っているのか。
そういったことを、ふと考えてしまうような、そんな出来事があったりして、少しばかり、もどかしくて、切なくなるようなことがあり、この時期に咲く、竜胆をみて、ふと、それでも、どうしようもない時があるのだなと。いや、それが、人生というものなので、もう、慣れてしまいましたけど、ただ、これはきっと、誰もが感じていることで、それを言葉にして、文字として、そして文章として書くことは、やはり、難しいものです。
自分の中に秘めておくべきことでも、言葉を続ければ、それは、表に出さないままにはできません。だから、こうして、僕みたいに、文章として書いているわけです。ここまで長いこと生きてきて、色々と思うこともあり、そんなことであれば、多くの言葉は、必要のない知識であることは間違いないと。知らないことの多いほうが、笑顔でいられることも多くみてきました。
あなたは、誰かに幸せになってもらいたい、心から思える人はいますか？それならば、もう、これ以上、あなた以外のこと、社会で起きている多くの不幸や幸せ、それら、まるごとを、この情報が溢れる時代から切り離してあげるのです。そして、優しさだけを、ただただ愛らしく、その人のために、笑顔がくれる暖かい瞬間を、いつまでも、互いに。
